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今年の世界成長率見通し-6.0%、コロナ第2波なら-7.6%=OECD

ニューヨークの街並み
6月10日、経済協力開発機構(OCED)は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今年の世界経済の成長率が平時としては過去1世紀で最悪になるとの見通しを示した。ニューヨークで4月撮影(2020年 ロイター/Mike Segar)

[パリ 10日 ロイター] – 経済協力開発機構(OCED)は10日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今年の世界経済の成長率が平時としては過去1世紀で最悪になるとの見通しを示した。

来年は景気後退から脱却すると予測している。

新型コロナの感染拡大が第1波で収束した場合、世界経済の成長率は今年がマイナス6.0%、来年がプラス5.2%となる見通し。

第2波が起きた場合は、今年がマイナス7.6%、来年がプラス2.8%となると予測している。

OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ブーン氏は報告書で「来年末までに失われる所得は、戦時を除けば過去100年のどの景気後退の規模をも上回る。人々、企業、政府に悲惨で長期にわたる帰結をもたらす」と述べた。

同氏は、今後10年間の経済・社会の見通しは危機対応で決まると指摘。各国政府に対し、国債発行で資金を調達し、低所得の勤労者や投資を支援すべきだと訴えた。

「経済活動と物価上昇率が低迷し、失業率が高い間は、超緩和的な金融政策と公的債務の拡大が必要であり、容認される」と述べた。

同氏は、感染第2波を巡る不透明感は依然として強く、貿易面の緊張をあおり立てている場合ではないと主張。各国政府が新型コロナの治療とワクチン開発で協力すべきだと述べた。

米国の経済成長率の予測は、今年がマイナス7.3%、来年がプラス4.1%。第2波が起きた場合は、今年がマイナス8.5%、来年がプラス1.9%になると予測している。

ユーロ圏の経済成長率の予測は、今年がマイナス9.1%、来年がプラス6.5%。第2波が起きた場合は、今年がマイナス11.5%、来年がプラス3.5%になると予測している。

OECDが発表した世界経済見通しは以下の通り。予測は、新型コロナウイルスの感染拡大が第1波で収束した場合と、第2波が起きた場合の2種類示している。

(%)

第1波のみ  第2波到来

2019 2020 2021 2020 2021

World  2.7 -6.0 5.2 -7.6 2.8

Australia  1.8 -5.0 4.1 -6.3 1.0

Canada  1.7 -8.0 3.9 -9.4 1.5

Euro area  1.3 -9.1 6.5 -11.5 3.5

Germany  0.6 -6.6 5.8 -8.8 1.7

France  1.5 -11.4 7.7 -14.1 5.2

Italy  0.3 -11.3 7.7 -14.0 5.3

Japan  0.7 -6.0 2.1 -7.3 -0.5

Korea  2.0 -1.2 3.1 -2.5 1.4

UK  1.4 -11.5 9.0 -14.0 5.0

US  2.3 -7.3 4.1 -8.5 1.9

G20  2.9 -5.7 5.5 -7.3 3.1

Argentina  -2.2 -8.3 4.1 -10.1 1.7

Brazil  1.1 -7.4 4.2 -9.1 2.4

China  6.1 -2.6 6.8 -3.7 4.5

India  4.2 -3.7 7.9 -7.3 8.1

Indonesia  5.0 -2.8 5.2 -3.9 2.6

Mexico  -0.1 -7.5 3.0 -8.6 2.0

Russia  1.4 -8.0 6.0 -10.0 4.9

Saudi Arabia  0.4 -6.6 3.8 -8.3 1.5

South Africa  0.2 -7.5 2.5 -8.2 0.6

Turkey  0.9 -4.8 4.3 -8.1 2.0