ビッグマーケットを形成したロハス(LOHAS)とは? 徹底解説します!
ロハス(LOHAS)とは
LOHASとはLifestyles Of Health And Sustainabilityの略語であり、人の健康と地球環境に配慮する持続可能なライフスタイルを意味する言葉である。
また、このライフスタイルを志向、実践する人々「カルチュアル・クリエイティブス」をも含む表現となっている。なお、ロハスは特定の消費者層を表すマーケティング用語のひとつでもある。日本語読みでは「ロハス」または「ローハス」と表現されているが、ここではロハスと統一する。
ロハスの提唱者
ロハスは、米社会学者のポール・レイ氏と心理学者のシェリー・アンダーソン氏が1998年に提唱した概念である。全米15万人の消費者を対象にして、10年以上に渡るマーケティング研究の成果から生まれた。
米国の市場調査会社(NMI)が米国の2002年のロハス市場は2268億ドル、ターゲットとなる消費者層、いわゆる「カルチュアル・クリエイティブス」は全米人口の約30%に上るとの調査結果を公表したことで、世界的な注目を集めた。
わが国でのロハスの広がり
マスメディアにロハスという言葉が初めて登場したのは、一般社団法人ロハス・ビジネス・アライアンスで共同代表を務める大和田順子氏が「日経新聞」「日経エコロジー」に寄せた記事と言われている。同年に環境コンサルティング会社のイースクエアがポール・レイ氏を招き、国際シンポジウムを主催。2004年を過ぎたころから雑誌やテレビでロハスが取り上げられる機会が増え、認知が広がった。
ロハスを体現するカルチュアル・クリエイティブ
カルチュアル・クリエイティブが体現するライフスタイルには、次の5つのポイントがある。
- 持続可能な地球環境への貢献と経済システムを推進
- 健康的なライフスタイルの実現
- 医薬品に依存しない代替医療への取り組み
- 自己開発(啓発)に向けた試み
- エコなライフスタイルの実現
ロハスの普及がもたらすメリット
カルチュアル・クリエイティブの登場は、経済および社会に大きなメリットをもたらしている。
- ロハスを実践する人々は地球環境への貢献、自己啓発と健康維持のための積極的な支出をしている。ロハス市場というビッグマーケットを形成し、経済社会へ大きな貢献をしている。
- 個別企業にとっては、自社の商品やサービスにロハスのイメージを重ねることで、他社との差別化を図る手段とすることができる。
ロハスが形成した市場の実例
ロハスが創出した市場は、世界的なトレンドを生み出した。カルチュアル・クリエイティブと呼ばれる消費者層は次のようなロハス市場を生み出している。
- 持続可能な地球環境と経済システム:再生可能エネルギー、エコカー、省エネ機器など、循環型社会の実現に貢献する商品やサービス市場
- 健康的なライフスタイル:オーガニックコットン、天然素材のヘルスケア商品や栄養補助食品など、人の体に優しい安全な商品とサービス市場
- 代替医療:はり治療、アロマセラピー、ホリスティック治療と呼ばれる人が持つ自然治癒力の向上とライフスタイルの改善をサポートする商品とサービス市場
- 自己開発(啓発):ヨガ、フィットネス、自己啓発セミナーなど、自身の能力開発や精神力向上などに関わる商品やサービス市場
- エコなライフスタイル:ロハスな住宅や家具、エコツーリズムなど、日々の生活の中で触れる安全で安心、快適な商品とサービス市場