計画購買とは 店全体の売上アップにも活用可能!
計画購買とは
計画購買とは、消費者が購入品目を決めてから店に行き、最初の予定通りに購入することである。この反対が非計画購買、いわゆる衝動買いだ。
計画購買は「カテゴリー計画購買」と「ブランド計画購買」の2つに分けられる。カテゴリー計画購買は、たとえば「インスタントコーヒーを買う」「コーヒー豆を買う」という計画で、ブランド計画購買は「ネスカフェ・ゴールドブレンドを買う」「UCC上島珈琲を買う」という計画だ。
消費財は、購買頻度の高い「最寄品(もよりひん)」。比較的高単価で、消費者が小売店を回って比較したうえで購入する「買回品(かいまわりひん)」。高価格で購買決定までに多くの時間と手間をかけて購入する「専門品」の3つに分類できるが、これらを計画購買・非計画購買の視点から見るとどうなるか。
日用雑貨や食料品などの「最寄品」のうち、ブランドロイヤリティの高い商品は計画購買される。洗濯洗剤ならアリエールの「バイオサイエンス」、缶コーヒーなら「BOSS」などである。それ以外は、価格や手に取りやすさなど来店後の情報、状況に左右される非計画購買が多い。言い換えると、最寄り品はカテゴリーレベルでの計画購買が多く、ブランド計画購買はそれほど多くない。
一方で、ファッション衣料や家電製品などの「買回品」は、計画購買されることが多い。しかし、店に行ってから店員の勧めなどで気が変わることも少なくないので、その場合は非計画購買になる。
高級ブランド品、美術品、趣味の収集品などの「専門品」は、計画購入がほとんどで、衝動的な非計画購入はまれである。
最寄品における計画購買・非計画購買の割合
スーパーマーケットで計画購買の比率が高いとされるのが洗濯用洗剤や柔軟剤で、非計画購買の比率が高いといわれるのがカップ麺、総菜・ホットフード、スナック菓子などだ。
一方、コンビニでは、飲料は計画購買の比率が高いとされ、非計画購買の比率が高いのは総菜・ホットフードやスナック菓子、アイスなどといわれる。飲料の中では、栄養ドリンクとコーヒー飲料がとくにブランド計画購入の比率が高い。
計画購買品を店全体の売上アップに活用するには
計画購買を増やす、つまり商品のブランドロイヤリティを高めるのは、小売店ではなくメーカーの施策と思われがちである。しかし、非計画購買を増やす施策に、計画購買品を活用することも重要だ。
たとえば、計画購買が多い商品を、入口付近やレジまわりに置くのは、顧客の店内滞在時間を短くして、ついで買いの機会を消失させる恐れがある。つまり、自店の商材で「計画購買の比率が高いのはどのジャンルの商品か」ということを把握することは、適切な店内レイアウトと動線を考える上で重要である。計画購買で来店する顧客に、いかに「ついで買い」や「衝動買い」を喚起するかが売上を大きく左右するのだ。