グロサリーとは?グロサリーの強み、取り扱ううえでの注意点をわかりやすく解説!
グロサリーとは
グロサリーとは、「加工された食品」を意味するが、納豆・牛乳・豆腐といった賞味期限の短い、いわゆる日配品は含まれない。グロサリーは常温のまま扱われる「ドライグロサリー」と冷蔵保存される「チルドグロサリー」に大別されるが、単にグロサリーと称するときはドライグロサリーを指すことが多い。
欧米では、日用雑貨もグロサリーに含まれるが、日本の場合はあくまで食料品に限られる場合が多い。
食品スーパーの現場は、商品棚の配置によって担当セクションが分けられるのが一般的で、たとえば日配品の棚はスーパー入口の生鮮食品近くに置かれることが多く、「日配」「デイリー」を担当するスタッフが陳列を任される。
グロサリーは店舗中央に配置され、品出し、バックヤード整理、棚補充、発注、値札貼りといった業務をグロサリー部門が担当する。このほか、鮮魚売場内の刺身コーナーにポン酢を陳列するなど、他の売場にグロサリーの担当者がかかわることもある。
グロサリーの強み
グロサリーの強みは、集客力と鮮度・品質管理の容易さにある。日常的に消費する食料品は、顧客を集めやすく、「ついで買い」を誘発しやすい。
最近は、食料品の棚ゾーンを大きくとったフード&ドラッグと呼ばれる食品強化型のドラッグストアも台頭している。そうしたフォーマットでは、鮮度管理や温度コントロール、品質チェック、見切り品の値下げ販売など、取り扱いが面倒な生鮮食品や日配品よりも、賞味期限が長く、温度管理などに神経を使わずに済むグロサリーが重宝されている。
グロサリーを取り扱ううえでの注意点
グロサリーで扱ううえでの注意したいのは、マージンの低さだ。某大手ドラッグストアの決算資料によれば、薬剤の粗利益率が40%台、コスメが35%であるのに対し、食品は20%前後となっている。
ドラッグストアがマージンの低いグロサリーを扱うのは、その集客力に期待しているためだ。グロサリーを目当てに立ち寄ったお客が化粧品や医薬品を買ってくれれば、採算は十分に合う。
その一方で、グロサリーを主力商品とする食品スーパーは、低いマージンの中から販促費や宣伝広告費、店舗人件費などを賄わなければならない。“薄利多売”による粗利益高の確保と、EDLP(エブリデイ・ロープライス)価格政策、あるいはオペレーション効率化による販管費抑制が粗利確保のキーポイントとなる。
ただ、薄利多売型のオペレーションはどうしても限界がある。そこで多くの総合スーパーや食品スーパーでは、PB(プライベートブランド)導入を通じた仕入価格の抑制、または付加価値付与による単価アップに努めている。
グロサリー販売の実例
ここからはグロサリーの実例として、「グロサリーストア」のイメージを一新させた「成城石井」と「カルディ」について取り上げてみたい。
かつての消費者はグロサリーストアや食品スーパーに対し、「生活に必要な食材を手に入れる」以上の価値を求めてこなかった。そして、小売側もそれ以上の価値を提供してこなかったといっていい。
そうした流れを大きく変えたのが、成城石井やカルディである。両チェーンの価格帯や陳列アイテムはそれぞれ異なるが、どちらも「安いから人気が高い」というわけではない。といっても、単なる高級食品スーパーとも異なる。
両チェーンの品揃えに共通しているのは、オリジナリティの強い商品を揃えているという点だ。そこにお客は「楽しさ」「新鮮な驚き」「いい意味での裏切り」を求めて来店する。
両チェーンには「カルディマニア」「成城石井信者」などと呼ばれる熱烈なファンがついており、インターネット上には「成城石井ビスタチオブレッドが大人気売り切れ!」「2021年カルディは異国ライスに注目」「カルディ2022年上期おすすめランキング」といったタイトルの記事があふれている。グロサリー商品でブームを作り、食文化を新しく作り変えた、成城石井とカルディから学べることは多い。