実質GDP、5期連続プラス=年1.0%増、輸出・投資伸び―4~6月期

内閣府が15日発表した2025年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、この成長ペースが1年続いた場合の年率換算で1.0%増だった。過去の数値が修正され、5四半期連続のプラス成長となった。米国の高関税政策の発動後も自動車などは販売数量を維持。輸出が伸びたほか、設備投資も堅調だった。
1~3月期の実質GDPは6月の改定値公表時点で前期比0.04%減だったが、個人消費や輸出などの上振れで遡及(そきゅう)改定され、プラスに転じた。5期連続のプラスは、8期連続のプラスだった16年7~9月期から18年4~6月期以来の長さとなる。
4~6月期は内需の柱である個人消費が0.2%増。自動車や夏物衣料の販売が伸びたものの、値上げのあった飲料など食品は低調だった。外食や宿泊も減少した。
設備投資は1.3%増と5期連続のプラス。ソフトウエアや建設用機械への投資が拡大した。住宅投資は0.8%増、公共投資は0.5%減だった。
輸出は2.0%増と2期ぶりにプラス転換。トランプ米政権は4月以降、自動車・同部品への追加関税や相互関税を発動したが、自動車メーカーが輸出価格を引き下げ、販売台数の落ち込みを回避したことが寄与した。電子部品・デバイスも伸びた。統計上は輸出に計上されるインバウンド(訪日客)消費の伸びは一服した。
GDPの押し下げ要因となる輸入は原油や天然ガスなどが増え、0.6%増だった。
GDPの増減に与える影響(寄与度)は内需がマイナス0.1%、外需がプラス0.3%。名目GDPは前期比1.3%増、年率換算で5.1%増だった。
先行きについて、みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介チーフ日本経済エコノミストは「日本の輸出企業が米関税のコストを吸収し続けることは難しい」と指摘。7~9月期は輸出・生産への下押しが広がり、景気は「踊り場」局面に入るとみている。
◇4~6月期のGDP速報値
◇実質成長率 0.3 年率 1.0
◇寄与度 内需 ▲ 0.1 外需 0.3
◇主要項目 増加率 寄与度
個人消費 0.2 0.1
住宅投資 0.8 0.0
設備投資 1.3 0.2
民間在庫 ― ▲ 0.3
公共投資 ▲ 0.5 ▲ 0.0
輸出 2.0 0.5
輸入 0.6 ▲ 0.2
◇名目成長率 1.3 年率 5.1
◇GDPデフレーター 3.0
(注)数字は%。民間在庫は寄与度のみ。GDPデフレーターは前年同期比でその他は前期比。▲はマイナス





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