中国、対米輸出が2割減=トランプ関税・貿易戦争、影響じわり―4月

時事通信社

中国・山東省青島市の港に並ぶコンテナと巨大クレーン
〔写真説明〕中国・山東省青島市の港に並ぶコンテナと巨大クレーン(資料写真、AFP時事)

 【北京時事】中国税関総署が9日発表した4月の貿易統計によると、対米輸出は前年同月比21.0%減の330億ドル(約4兆8000億円)だった。輸入は13.8%減の126億ドル。トランプ米政権との間で高関税をかけ合う貿易戦争が始まった影響が表れた。

 米政権は4月、対中追加関税を一気に100%超へ引き上げた。中国がほぼ同規模の報復関税で応じたことで、激しい貿易戦争に発展している。3月は駆け込み輸出が増えたとみられ、対米は9.1%増と好調だった。

 全体の輸出は8.1%増の3157億ドルと、前月の12.4%増から伸びが鈍化。対米の不振が影響した形だ。市場では、貿易戦争の影響が全面的に表れる5月には、全体の輸出がマイナスに転じるとの見方もある。輸入は0.2%減の2195億ドル。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は962億ドルだった。 

 こうした中、中国政府は5月に入り、約7カ月ぶりの利下げに踏み切るなど景気てこ入れ策を強化。対米関係についても、10、11の両日にスイスで関税交渉を行うと発表されるなど、緊張緩和に向けた動きが出始めている。

 米国以外との貿易は、東南アジア諸国連合(ASEAN)への輸出が20.8%増と好調だった。対日輸出は7.8%増、輸入は2.5%増。習近平国家主席が訪問中のロシアへの輸出は2.7%減、輸入は15.1%減だった。

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