酒類販売店「なんでも酒やカクヤス」を運営するカクヤス（東京都）は12月17日、ラストワンマイル配送のルート最適化を提供するオプティマインド（愛知県）と提携し、新たな配送モデル構築プロジェクトを開始することを発表した。
このプロジェクトは、2025年6月の現場導入を目指し、配送業務の効率化と配送員の負担軽減を目的としている。
カクヤスは独自の配達網を活用し、「いつでも」「どこへでも」「どれだけでも」の配送サービスを提供している。コロナ禍以降、家庭向け販売が急増し、配送件数が増加する中で、効率的なルート構築が課題となっている。
200以上点在する配送拠点から効率的に商品を届けるには、拠点や在庫、配送時間、ドライバーのキャパシティなど複数の要素を考慮した最適ルートの構築が必要だったが、従来は配送員の経験に依存しており、属人化が進んでいた。
このプロジェクトでは、オプティマインドの最適化アルゴリズムを活用。AIが1,000万回分の走行データを分析し、配送拠点、在庫、時間指定、ドライバーのキャパシティなど、複数の条件を考慮した最適ルートを自動的に算出する。
2024年6月から、カクヤスのデジタルイノベーションセンターが中心となり、3か月間のシミュレーションを実施。エリアや納品時間に基づく診断で効率的な配送ルートが提示され、属人性に頼らない運用の可能性が確認されたことから、現場での導入が決定された。
今回の取り組みにより、配送効率の向上に加え、ドライバーの負担軽減や業務の安定化も期待されている。