11月企業物価、3.7%上昇=コメ高騰、1年4カ月ぶり高水準―日銀
日銀が11日発表した11月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は124.3と、前年同月比3.7%上昇した。45カ月連続のプラスで、伸び率は23年7月以来1年4カ月ぶりの高水準。玄米・精米を中心に農林水産物の価格上昇が全体を押し上げた。幅広い品目で原材料費や人件費の上昇分を価格に転嫁する動きも見られ、指数は3カ月連続で過去最高を更新した。
企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格を示す。調査対象515品目のうち、388品目が上昇、100品目が下落した。
農林水産物の伸び率は31.0%と過去最高を更新した。非鉄金属は銅やアルミニウムの市況高騰で13.6%上昇、電力・都市ガス・水道は再生可能エネルギーの「賦課金」が5月に引き上げられたことに伴い9.2%上昇した。
海外から輸入するモノの価格を示す輸入物価指数は、円ベースで1.2%下落、契約通貨ベースで2.8%下落した。
日銀は、コメの価格について「上昇ペースは前月までと比べて鈍化している」と指摘。このところの価格上昇要因だった新米への切り替えの影響は「おおむねなくなった」との見方を示した。