日銀が10日発表した9月の「生活意識に関するアンケート調査」によると、1年前に比べて物価が「かなり上がった」「少し上がった」と回答した人の割合は計94.7%だった。前回6月調査の95.0%から小幅に低下したが、物価上昇を実感する割合は9回連続で9割を超えた。
1年前と比べて物価がどの程度変化したかを聞いたところ、回答の平均値はプラス14.5%と、前回のプラス15.7%から低下した。1年後の物価については、「上がる」との回答が85.6%と、前回の87.5%から縮小。急速な円安進行が一服し、物価の先高観がやや和らいだ。
現在の暮らし向きについては、「ゆとりが出てきた」から「ゆとりがなくなってきた」の割合を引いた「暮らし向きDI」はマイナス47.4で、前回のマイナス52.1から改善。世帯の収入が1年前より「増えた」と答えた割合は19.0%と前回の15.9%から上昇した。賃上げ波及により、比較可能な2006年9月以降、最も高い水準となった。
調査は全国の20歳以上の個人を対象に3カ月ごとに実施されており、今回は8月8日から9月3日まで行われた。