東京商工リサーチが5日発表した2024年上半期(1~6月)の企業倒産(負債1000万円以上)は、前年同期比21.9%増の4931件と3年連続で増加した。上半期としては14年(5073件)以来10年ぶりの高水準。歴史的な円安による物価高や人手不足が重しとなり事業継続を断念するケースが目立った。
全体の倒産件数のうち、コスト上昇を十分に価格転嫁できない「物価高」倒産は23.4%増の374件。建設業や運輸業など下請け企業の多い産業を中心に増加した。求人難や人件費高騰などによる「人手不足」関連倒産は2.1倍の145件に急増した。
負債総額は22.8%減の7210億円。前年同期に負債額1000億円超の大型倒産があった反動などで減少した。
商工リサーチは「年間1万件を視野に、今後も倒産は増加傾向をたどる」とみている。
同時に発表した6月の倒産件数は前年同月比6.4%増の820件、負債総額は27.2%減の1098億円だった。