セブン1号店から50年=コンビニ、進化続けインフラに
セブン―イレブンの1号店が東京・豊洲にオープンしてから15日で50年が経過した。現在、国内のセブンは約2万1000店超、コンビニエンスストア業界全体で5万7000店に拡大。生活に欠かせないインフラとなった。この間、セブンは数多くの新サービスを導入し、コンビニの進化をリードした。
1974年5月15日、最初に売れた商品はレジ横のサングラスだった。1号店オーナーの山本憲司さん(74)は「最初はどんな客が来るのかも分からなかった」と振り返る。当初はスーパーマーケットの売れ筋を参考に品揃えしていたが、ここからセブンは試行錯誤を繰り返し、新たな商品・サービスを導入していく。
78年、のりを自分で巻くおにぎりを発売。おにぎりは「コンビニで買うもの」になった。今では定番の「ツナマヨ」を開発したのもセブンだ。
宅配便の取り次ぎサービスを開始したのは81年。その後、87年に電気料金の収納代行を始めるなど、コンビニは単に物を売る場所ではなくなっていった。
2001年にはコンビニATMのアイワイバンク銀行(現セブン銀行)が誕生した。マルチコピー機を00年に導入し、10年には住民票の写しなども発行可能に。土日でも行政サービスが受けられるようになった。
社会インフラとして存在感を高めてきたが、ここ数年は店舗拡大の勢いが鈍い。人手不足などで、セブンが75年に始めた24時間営業が困難な店舗も出てきている。
セブン―イレブン・ジャパンは今年2月、生鮮や冷凍食品を充実させた新型店舗を開業し、新たな消費者ニーズを模索し始めた。今でも毎日店舗に顔を出すという山本さんは、「コンビニは万能ではない。店のファンをつくることが大事だ」と強調した。