イオン、売上高10兆円へ=PB強化で客足確保―25年2月期予想
イオンは10日、2025年2月期に、売上高に相当する連結営業収益が前期比4.7%増の10兆円になる見通しだと発表した。達成すれば、国内小売業ではセブン&アイ・ホールディングスに続く大台乗せとなる。物価高で消費者の節約志向が強まる中、値ごろ感のあるプライベートブランド(PB)商品の強化やコスト削減で収益拡大を目指す。
営業利益は7.6%増の2700億円、純利益は2.9%増の460億円と見込む。賃上げや物流の「2024年問題」への対応が費用を押し上げるが、デジタル化推進や光熱費などの削減で対応する。ネットスーパー強化や既存店のてこ入れのため、国内外で年間5000億~5500億円(前期は3962億円)を投資する。
吉田昭夫社長は記者会見で「賃上げの恩恵を直接受けない人の構成比は高い。食品を値上げすると支持されなくなる」と述べ、「トップバリュ」を中心としたPB開発を引き続き強化する考えを示した。
24年2月期の連結業績は、営業収益が4.8%増の9兆5535億円、営業利益が19.6%増の2508億円といずれも過去最高。純利益は2.1倍の446億円だった。