中国、経済成長目標発表へ=「5%前後」維持か―李強首相が活動報告・全人代開幕
【北京時事】中国の国会に当たる第14期全国人民代表大会(全人代)第2回会議が5日午前(日本時間同)、北京の人民大会堂で開幕する。初日は李強首相が初の政府活動報告を行い、今年の経済成長率目標を明らかにする。これに関し、ロイター通信は5%前後に設定されたと伝えた。国防費をはじめとする予算案も公表され、11日までの日程で討議が行われる。
市場では、成長目標について2023年と同じ「5%前後」に設定されるとの見方が根強い。不動産不況の出口が見えず、目標を引き下げれば投資家の失望を招くためだ。
物価目標も示される見通しだ。23年の消費者物価指数の上昇率は「3%前後」に設定された。だが、景気悪化による消費の冷え込みで、実績は0.2%と、辛うじてプラス圏にとどまった。中国では、景気後退を伴って物価が継続的に下がるデフレが懸念されている。
一方、国防予算は今年も経済成長を上回る増加が続きそうだ。昨年は前年比7.2%増の1兆5500億元(約32兆3000億円)超だった。ロイターは、今年も前年比7.2%増になると報じた。全人代報道官は4日、国防予算に関して「軍事変革の必要性」などのために「合理的で安定した伸びを保ってきた」と説明した。
政府活動報告では、「台湾統一」に向けた表現も焦点となる。習近平政権は、1月の台湾総統選で勝利した民進党政権を「独立派」と見なして警戒し、揺さぶりを続けている。
会期中、例年は外相が内外記者との会見に臨み、外交方針を説明する。閉幕後には首相の記者会見が行われてきたが、今年は取りやめが発表された。背景には、首相の権限が縮小していることや、低迷する経済に関連した質問への回答を避ける狙いがあるとみられる。