日銀が16日発表した2023年12月の国内企業物価指数(速報値、20年平均=100)は119.9と前年同月比横ばいとなった。エネルギーや原材料価格の高騰を受けたコスト上昇分を価格転嫁する動きが鈍化し、伸び率は2年10カ月ぶりの低水準となった。資源価格の下落や円安が一服したことなどが影響したとみられる。
企業物価指数は企業間で取引されるモノの価格を示す。昨年12月は調査対象515品目のうち404品目が上昇、92品目が下落した。分野別では、飲食料品が4.4%、窯業・土石製品が11.6%それぞれ上昇した。一方、電力・都市ガス・水道は政府の負担軽減策を受けて27.6%と大幅に下落。鉄鋼も3.4%のマイナスだった。
輸入物価指数は円ベースで4.9%下落し、9カ月連続で前年同月を下回った。契約通貨ベースでも9.5%下落した。
一方、23年の国内企業物価指数は119.6と前年比4.1%上昇した。指数は比較可能な1981年以降で過去最高を2年連続で更新した。