供給制約の緩和が寄与=日銀短観
日銀が2日公表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断が2期連続で改善した。半導体などの部品不足が解消し、自動車の生産が回復。供給制約の緩和がプラスに寄与した。また、原材料価格の上昇が一服し、価格転嫁が進んでいることも企業心理の改善につながった。
大企業非製造業では、コロナ禍からの経済再開で、宿泊・飲食などサービス関連が好調を維持。インバウンド(訪日客)需要も復活したことで、景況感が改善した。
ただ、足元で円安が進行しており、企業のコスト負担増が長引く恐れもある。企業が値上げを続ければ、消費が冷え込むリスクがあり、先行きは楽観できない。日銀が目指す賃金と物価がともに上昇する好循環を実現する上で、来年の春闘の賃上げがカギを握ることになりそうだ。