日銀が13日発表した8月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は119.6となり、前年同月比3.2%上昇した。30カ月連続のプラスだが、伸び率は8カ月連続で縮小し、21年3月以来、2年5カ月ぶりの水準となった。原油価格の高騰が全体を押し上げた一方、政府による電気・ガス料金の負担軽減策の影響に加え、コスト上昇分を価格に転嫁する動きも鈍化、伸び率は縮小を続けている。
企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格を示す。調査対象515品目のうち、上昇品目数は431品目と、前月の436品目に比べて減少した。
分野別では、産油国の減産で6~7月の原油価格が上昇し、石油・石炭製品が7.5%増。飲食料品は5.9%増、パルプ・紙・同製品は14.2%増だった。一方、電力・都市ガス・水道は、3~5月の液化天然ガスや石炭価格の下落とともに、政府支援策を受けて電気料金が値下げされたことにより10.9%減少した。
円ベースで見た8月の輸入物価指数は11.8%低下し、5カ月連続のマイナスだった。