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クスリのアオキ、会社側提案を可決=創業家社長ら再任、ファンドに勝利―株主総会

クスリのアオキホールディングスの定時株主総会が開かれた会場
〔写真説明〕クスリのアオキホールディングスの定時株主総会が開かれた会場=17日午前、金沢市

 北陸地方を中心に23府県でドラッグストアを展開するクスリのアオキホールディングス(HD)は17日、金沢市内で定時株主総会を開いた。創業家の青木宏憲社長や青木孝憲副社長の再任案など会社側の提案はすべて可決された。反対票の投票を呼び掛けていた香港系投資ファンドのオアシス・マネジメントに勝利した形だ。

 総会を巡っては、オアシスが7月、社長らが自社株を取得できるストックオプション(自社株購入権)の行使価額を不当に低く設定しているなどと主張。創業家一族が「少数株主の利益をないがしろにしてきた」として、他の株主に社長再任案などへの反対を呼び掛けるとともに、自らが推薦する社外取締役の選任を含む五つの議案を提示していた。ファンド側の提案はすべて否決された。

 オアシスは、今月10日に札幌市内で開いたドラッグストア大手ツルハホールディングスの株主総会でも、業界再編や統合の重要性を指摘し、社外取締役の総入れ替えなどを提案。ツルハ総会でもすべての提案が否決されていた。

 オアシスは17日、クスリのアオキの総会結果を受けてコメントを発表。「今後も(ツルハを含む)両社の株主として、ガバナンス改善や業界の再編などを求めて向き合っていく」(広報担当者)とした。一方、クスリのアオキは「株主の意見や指摘を踏まえ、ガバナンスのさらなる強化を継続的に検討していく」との見解を示した。