日銀が来月3日に発表する3月の全国企業短期経済観測調査(短観)の民間シンクタンクなど16社による予測が27日、出そろった。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、原材料価格の高止まりなどが響き大企業製造業が5四半期連続の悪化を予想。大企業非製造業はコロナ禍からの経済活動の再開を受け、4期連続の改善を見込んだ。
DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いて算出する。
大企業製造業DIの予測平均は、前回の昨年12月短観から4ポイント悪化のプラス3だった。原材料高に加え、「海外経済の減速を背景とする輸出の落ち込みや世界的な半導体市場の低迷で景況感が明確に悪化する」(ニッセイ基礎研究所)といった見方が大勢。中国のゼロコロナ政策解除も「日本の輸出をけん引するような力強さはない」(みずほリサーチ&テクノロジーズ)と指摘された。
大企業非製造業のDI予測の平均は、1ポイント改善のプラス20。宿泊・飲食サービスを中心に、「外出関連消費の拡大や訪日客数の増加を受け業況が改善した」(三菱総合研究所)とみられている。
◇3月日銀短観の民間予測
製造業 非製造業
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 5 (3) 21(17)
三菱総合研究所 5 (5) 20(20)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 4 (3) 21(15)
野村証券 4 (6) 20(21)
みずほ証券 4 (6) 20(15)
みずほリサーチ&テクノロジーズ 4 (3) 19(21)
日本総合研究所 4 (4) 19(18)
明治安田総合研究所 4 (5) 21(19)
SMBC日興証券 3 (3) 22(24)
農林中金総合研究所 3 (1) 20(16)
BNPパリバ証券 2 (3) 20(20)
ニッセイ基礎研究所 2 (5) 18(18)
三井住友DSアセットマネジメント 1 (7) 20(12)
大和総研 ▲1 (4) 18(18)
大和証券 ▲1 (1) 17(17)
第一生命経済研究所 ▲2(▲3) 22(20)
16社平均 3 (4) 20(18)
12月短観実績 7 (6) 19(11)
(注)大企業の業況判断DI、カッコ内は先行き、平均は四捨五入。▲はマイナス