セブン&アイ・ホールディングスは24日、米ファンドのバリューアクト・キャピタルから5月の定時株主総会に向けた取締役選任の株主提案を受けたことを明らかにした。選任案には井阪隆一社長ら現職4人が含まれておらず、事実上の退任要求とみられる。バリューアクトはセブン&アイの構造改革は不十分との不満を持っており、経営体制を巡る委任状争奪戦に発展する可能性が出てきた。
セブン&アイは「提示された内容は取締役会で精査・検討を進める」とのコメントを出した。
バリューアクトはこれまで、セブン&アイにコンビニの「セブン―イレブン」事業への集中を要求。スーパー大手イトーヨーカ堂などの低収益事業を切り離すよう求めてきた。
しかし、セブン&アイが今月公表したヨーカ堂の改革計画は、店舗閉鎖や衣料事業からの撤退にとどまった。昨秋には百貨店子会社そごう・西武の売却も決めたが、譲渡の予定が延期され、実現していない。