〔海外決算〕米メーシーズ、11~1月期は減収減益も市場予想上回る
【ニューヨーク時事】米百貨店大手メーシーズが2日発表した2022年11月~23年1月期(22年度第4四半期)決算は、売上高が前年同期比4.6%減の82億6400万ドル、純利益が32%減の5億0800万ドルで減収減益となったが、実質ベースの1株当たり利益も含めて市場予想を上回った。やみくもな値下げに慎重な戦略を採用し、利益の落ち込みが抑制された。
第4四半期は年末商戦期を含んでいる。ジェネット最高経営責任者(CEO)は「第4四半期には競争力を保ちつつ慎重な販売促進を行った。戦略的な値引きを実施したほか、意図的に不採算のセールを追求しなかった」と強調した。同社は1月上旬、同期の売上高見通しに関し、従来予想(81億6100万~84億0100万ドル)の下限から半ばになると明らかにしていた。
同期の売上高はデジタル販売が前年同期比9%減(新型コロナウイルス禍前の19年同期比では24%増)、実店舗が2%減(同11%減)。既存店売上高は3.3%減だった。
23年度通期の見通しについて、同社は「マクロ経済環境の不透明感が強い状況が続く」とした上で売上高を前年度比1~3%減と予想。ただ、調整後の1株当たり利益は3.67~4.11ドル(市場予想は3.84ドル)と、極めて悲観的な予想は示されなかった。
◇メーシーズ(M)決算の概要
22年11月~23年1月期 市場予想 前年同期
売上高 8,264 8,255 8,665
純利益 508 435 742
1株利益 1.71 1.57 2.45
(注)売上高と純利益の単位は100万ドル、1株利益は調整後、ドル。市場予想はリフィニティブ調べ