靴専門店のエービーシー・マートが発表した2022年3〜11月期の連結決算は、売上高が前年同期比15.5%増の2085億円、営業利益が46.1%増の289億円と増収増益だった。行動制限の緩和や全国旅行支援による外出機会の増加で、既存店売上高が好調に推移した。販売管理費の伸びを抑制したことで、利益が大幅に増えた。
国内事業の売上高は14.1%増の1436億円、セグメント利益は39.3%増の248億円だった。デジタル広告やスマートフォン向けアプリを活用して、オンラインストアと実店舗への送客を強化。値下げ販売を絞り込むことで、客単価と粗利益の向上を図った。外出機会の増加にあわせて、レジャー・アウトドア向けシューズとアパレルの販売に注力した。既存店売上高は11.0%増と2ケタの伸びとなった。
店舗については、都市型業態「GRAND STAGE(グランドステージ)」など靴とアパレルの複合業態の出店を強化した。複合業態は新店と既存店改装を含めて30店増の81店となった。期間中の新規出店は45店、閉鎖は17店で、11月末時点での国内店舗数は1081店となった。
海外事業は円安効果もあって売上高は18.8%増の656億円、セグメント利益は約2倍の41億円だった。米国はインフレによる消費抑制もあって、現地通貨ベースでは増収減益だったが、韓国と台湾は行動制限緩和とインバウンド需要増加で増収増益だった。9月末時点での海外店舗数は、韓国305店、台湾67店、米国7店の計379店となった。
23年2月期通期の連結業績見通しは、従来予想を据え置いた。売上高は12.3%増の2740億円、営業利益は25.7%増の345億円、純利益は33.5%増の232億円を見込んでいる。