日銀が12日発表した11月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は前年同月比9.3%上昇し、過去最高の118.5となった。上昇は21カ月連続。ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーや原材料価格の高騰に加え、円安によって幅広い品目で物価が押し上げられた。
企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格を示す。日銀によると、調査対象の515品目のうち、8割超の438品目が上昇した。
分野別では、6~8月にかけての燃料高が価格に反映された電力・都市ガス・水道が49.7%の大幅な上昇。鉄鋼が20.9%、金属製品が12.7%のプラスとなったほか、農林水産物が7.4%、飲食料品が7.2%それぞれ上昇した。
ただ、石油・石炭製品が0.5%プラスと上昇幅が小さくなったほか、木材・木製品など一部品目は在庫の余剰や需要の減少を背景にマイナスとなった。
また、円安の進行がやや落ち着いたことから、輸入物価を円ベースで見た指数は、前年同月比28.2%上昇と前月からプラス幅を大きく縮小した。日銀は「不確実性が高い状況が続いている。国際商品市況や輸入物価の動向、国内での価格転嫁の動きなどを注視していく」(調査統計局)としている。