百貨店売上高、10月は11.4%増 人流増加で催事好調
日本百貨店協会が発表した10月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比11.4%増だった。政府の全国旅行支援などで人流の増加があり、入店客数が9.4%増えた。売上高、客数ともに8カ月連続のプラスとなった。
会員向け施策や物産展など企画催事が盛況だったほか、一部店舗では改装効果も見られた。高額商材では値上げ前の駆け込み需要も見られ、増勢が続いた。主力の衣料品や服飾雑貨においても、気温低下や旅行需要などから、秋冬アイテムの動きが本格化した。
コロナ前との比較では、消費増税の影響があった2019年比で13.1%増、特殊要因のない18年比では6.6%減だった。同協会によれば、「一部店舗では18年実績を超えるなど、一段と復調傾向を強めている」という。
地区別では前月に続いて、全地区がプラスとなった。10大都市は14.5%増で13カ月連続のプラス、大都市を除く地方は3.5%増で7カ月連続のプラスだった。
インバウンド(訪日外国人)向けの売上は、水際対策の大幅な緩和や円安の影響から約3.4倍に拡大した。コロナ前の19年比では46.6%といまだ半減の状況だが、前月より17.1ポイント改善した。
商品別では、主要5部門のうち家庭用品を除く4部門で前年実績を超えた。コートやジャケットなどが好調だった衣料品は12.1%増、高額品の美術・宝飾・貴金属は12.9%増、アクセサリーや靴、かばん、旅行用品などを含む身のまわり品は24.9%増と大きく伸びた。
食料品は6.4%増だった。生鮮食品は1.1%減少したものの、菓子が11.5%、総菜が8.0%伸長した。おせちやクリスマスケーキの予約は堅調な滑り出しを見せているという。