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10月企業物価、過去最高=9.1%上昇―日銀

日本銀行
日銀が11日発表した10月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は前年同月比9.1%上昇し、統計を開始した1960年以来過去最高の117.5となった。(i-stock/Manakin)

 日銀が11日発表した10月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は前年同月比9.1%上昇し、統計を開始した1960年以来過去最高の117.5となった。上昇は20カ月連続。ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーや原材料の価格高騰に加え、歴史的な円安で、鉄鋼を中心に幅広い品目が値上がりした。企業物価指数は企業間で取引されるモノの価格を示す。

 一方、9月の上昇率は9.7%から10.2%に改定され、比較可能な81年以降で初めて2桁に達した。

 10月は、調査対象の515品目のうち約8割の434品目が上昇した。分野別では、エネルギー価格などの高止まりが響き、電力・都市ガス・水道が43.2%、鉄鋼が22.4%、化学製品が8.7%それぞれ上昇。飲食料品は6.9%のプラスだった。

 石油・石炭製品や木材・木製品などは、世界的な市況の下落によりプラス幅を縮小。こうした影響で、指数全体の伸び率は前月から縮小した。

 10月の輸入物価を円ベースで見た指数は前年同月比42.6%上昇。このうち約6割が円安によるものだった。日銀は「海外経済や輸入物価の動向、コスト上昇分の転嫁の動きを引き続き注視する」としている。