イオン系食品スーパー、ユナイテッド・スーマーパーケット・ホールディングス(U.S.M.H、東京都千代田区)は、傘下のカスミ(茨城県つくば市)の旅行子会社、カスミトラベル(以下、トラベル社)で発生した不正会計問題に関連して2016年2月期第3四半期に1億4800万円の損失を計上すると発表した。
同社では15年10月にトラベル社で不正会計が判明したと発表、弁護士や公認会計士などで構成される調査委員会が実態調査を進め、12月25日に結果を公表した。
調査結果によると07年のサブプライムローン問題や08年のリーマンショックを機にトラベル社の売り上げが低迷、前社長を中心に赤字決算を避けるための架空売り上げの計上が始まった。不正が行われたのは08~15年で、架空売上高の合計は約5600万円、未精算の使途不明金は約800万円だった。また、架空売り上げに基づいて東京電力に福島原子力発電所事故に伴う原子力損害賠償金を請求、約9392万円を受領していたが、トラベル社が全額を返金した。
カスミでは不正会計問題の責任を取って、取締役8人が15年12月から3ヵ月間、月額報酬の5~30%を自主返上する。4人の監査役も同期間、報酬の10%を返上する。
同社では子会社の管理体制を強化するなどして再発を防ぐとしている。