百貨店売上高、7月は9.6%増 コロナ前との比較では9.1%減
日本百貨店協会が発表した7月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比9.6%増だった。6月の11.7%増と比べると増加ペースは鈍ったが、5カ月連続で前年実績を上回った。
コロナ禍前の2019年7月との比較では、9.1%減だった。月前半は多くの店舗で夏のクリアランスセールがスタートし、気温上昇もあって好調な滑り出しだったが、後半からは新型コロナ感染の急拡大や猛暑による外出自粛で客足が鈍った。
入国制限の緩和でインバウンド(訪日外国人)客向けの売上は約2.6倍に増えたが、19年7月比では63.7%減と依然として厳しい状況にある。
商品別では、高級ブランド品や時計、宝飾品など高額商品が引き続き高い伸びを示したほか、盛夏商材や旅行用品の動きも良かった。一部の海外ブランド品では、値上げ前の駆け込み需要も見られた。
衣料品は12.7%増、靴・かばんなどの身のまわり品は21.8%増、化粧品や美術・宝飾・貴金属などの雑貨は15.5%増だった。一方、食料品は横ばいに留まった。中元や帰省需要で菓子は5.0%増だったが、価格高騰などから生鮮食品が5.9%減と苦戦した。
地区別では、10大都市が12.7%増と2ケタの増加、10大都市を除く地方は1.6%増だった。地方のうち、近畿、四国、九州は前年割れだった。