店舗前提の高収益ネットスーパーで成長するスーパーサンシ
今後人口減少が進み、業態の垣根を超えた競争が激化する中、とくにローカル食品スーパー(SM)はどうすれば生き残ることができるだろうか?その問いに対して、1つの明快な解がすでに存在する。スーパーサンシ(三重県/田中勇社長)が行う、リアル店舗を前提としたネットスーパー戦略だ。
「CVSよりも便利に」からネットスーパーが誕生
小売業界の巨人・イオン発祥の地、三重県。いち早く急成長を成し遂げ、三重県内でも当初からイオンが好立地を次々押さえていったため、地場SMは企業規模を拡大する機会が得にくかったという。
そうした中、スーパーサンシは当初から「他社とは異なる差別化戦略」を志向していた。根底にあるのは「店で待っていてもお客は来ない。大手と違う切り口で勝負しよう」という考え方だ。
1970年代、注目したのはコンビニエンスストア(CVS)の成功。値段は高いものの、価格とは異なる価値「近いから便利」で店数を増やしたことにヒントを得た。そのうえで「CVSよりも『より近い存在』として、お客さまの自宅にお届けする宅配ビジネスを思いついた」と同社専務取締役・NetMarket事業本部長の高倉照和氏は語る。
スーパーサンシは75年、現在のネットスーパー事業の源流となる宅配サービスを開始。当然インターネットなどなかった時代でコンピューター、電話受注すべてにコストがかかった。その後インターネット、そしてスマホの爆発的普及にくわえ、独自のノウハウを構築したことで、収益化と大きな売上確保を実現するに至っている。来年で宅配・ネットスーパービジネス歴は実に50年になる。
ネットスーパー売上は1店舗で10億円超!
現在スーパーサンシの売上高は、別会社にしている総菜事業の売上を合わせて約300億円。三重県内にSMを13店舗展開し、うち8店舗で店舗出荷型のネットスーパービジネスを行っている。
その中で、リアル店舗、ネットスーパー双方の旗艦店と言えるのが四日市市内に構える「日永カヨー」店だ。
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