大都、BtoB向けのEC事業で「建設業界のアマゾン」をめざす

ダイヤモンド・ホームセンター編集部
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システム内製化でスピード対応

 「持たないこと」を武器に、プロ市場の開拓をめざす大都だが、自社の競争力につながる分野は内製化している。それはECサイトを運営するバックシステムだ。

 21年、ベトナムに子会社の「DAITO VIETNAM」を設立。現地で優秀なエンジニアを抱え、システムを開発している。前述のプライシングエンジンのほか、メーカーやベンダーが直接、商品の登録ができる仕組みも構築。また物流関連のシステムも、自前の組織だからこそ、きめ細やかに調整できる。

「DAITO VETNAM」
ベトナムに現地法人「DAITO VETNAM」を設立。エンジニアを採用し、プライシングや物流システムを内製化している

 興味深いのは、ECサイトを小売業と見立て、より集客力ある「売場づくり」にも取り組んでいる点だ。購買頻度の高い、集客力を発揮する商品を目立つ場所に配置するなどの仕掛けづくりに注力する。

 たとえばシリコン系シーラントのコーナー。当該ページに進んで最初の位置にお薦め品や新商品を並べるなど、「カゴに入れたい」と思わせるような配置を追求。利用者にとっては最初に見た「売場」が安い、高いを判断する基準になるため、とくに神経を使っている。

 大都では「売場」の変更は毎日行っている。もしバックシステムを外部へ委託していたら、このような高頻度での売場の見直しは難しい。内製化しているからこそ、迅速な対応が可能で、自社でノウハウも蓄積できる。

 今後も、トラノテはサービスを充実させ、利用拡大を図る方針だ。その一例として、物流センターでの商品引き渡しが挙げられる。現場仕事で必要なものを、すぐに取りに行きたいというニーズは一定数ある。同社では1年以内には実現する計画で、準備を進めている。

 また「パンチアウト連携」にも対応する。これは企業の購買管理システムとトラノテを連動させるサービス。利用客にとっては安全でスムーズな購買環境を整備できる仕組みで、モノタロウはじめ大手のサービスはすでに導入している。大都も追随することで企業の大口ニーズの取り込みをめざす。

 山田社長は、「まだプロ市場の開拓余地は大きい。利便性の高いサービスにより、利用者を増やしていきたい」と抱負を口にする。

 

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