ホームシェフ10億ドル超えにワービーパーカー100店突破!米D2C業界の新局面とは

鈴木 敏仁 (R2Link代表)
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クローガーのDTCブランド「ホームシェフ」
クローガーのDTCブランド「ホームシェフ」の売上高が10億ドルを超えた

 クローガー(Kroger)のDTC(directto-consumer)ブランド、ホームシェフ(Home Chef)の売上高が10億ドルを超えた。110円で換算すると1100億円、アメリカでは10億ドルをマイルストーンとみなす商習慣があり、ホームシェフは一躍メジャーなブランドとして認知されることとなった。

 ホームシェフがミールキットをサブスク形式で売るビジネスモデルで創業したのは2013年、クローガーが2億ドルで買収したのは18年半ばで、同年の10月から店頭販売を開始し、翌19年にはオーブンや電子レンジなどで温めるだけの簡便ミールを別ブランドとしてスタートしている。

 昨年はパンデミックで内食需要が急増し売上が118%と急激に伸び、これが年商10億ドル突破につながっている。ミールキット市場そのものは今年に入ってパンデミックが収まるにつれ成長率が当然のことながら鈍化しているのだが、今年の市場は18%増と依然高めの予測もあって、今しばらくは伸びそうな勢いだ。ホームシェフの成功は、リアルとネット、サブスクと単品売り、ミールキットと簡便総菜と、複数のチャネルと品揃えを戦略的に使いながら、クローガーの販売力を生かしてシナジー効果を出せたことにあるだろう。

※日本では「D2C」と表記することが多いが、本稿では米国で一般的な「DTC」の表記で統一した

相次ぐDTC企業の上場

 今の時代、

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記事執筆者

鈴木 敏仁 / R2Link 代表

在米30年以上、現在はロサンゼルス在住。1997年にアメリカでS.M.R., Inc設立、米国流通業界を軸としたコンテンツ作成ビジネスを開始。また企業が実施する米国流通研修の企画およびコーディネートも合わせてスタート。1998年にリテールウェブを開設。年間訪問店数はのべ600店舗超、現場検証に基づいた分析をモットーとする。

著書

『ソリューションを売れ!』(ニューフォーマット研究所)
『誰も書かなかったウォルマートの流通革命』(商業界)

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