ユニー代表取締役社長 佐古 則男
衣住がけん引しアピタ好調 2020年度、営業利益200億円めざす
総合スーパー(GMS)や食品スーパー(SM)を展開するユニー(愛知県)。店舗の活性化を進めるなか、昨年、ユニー・ファミリーマートホールディングス(東京都/髙柳浩二社長)がドンキホーテホールディングス(東京都/大原孝治社長)と資本・業務提携したのを背景に、ドン・キホーテのノウハウを取り入れた新たな店づくりをスタート。「2020年2月期以降、攻めに転じる」という、同社の佐古則男社長に事業展望や課題などを聞いた。
在庫処分し売場の鮮度上げる
──2018年2月期をどのように振り返りますか。
佐古 前期のスローガンは「原点回帰」、テーマに「個店経営」と「店舗の魅力」を掲げ、事業展開しました。「原点」とは、「商品」「52週マーチャンダイジング」「品揃え」「売場環境」「従業員のおもてなし」といった5つの分野を追求するもので、当社が重視してきた施策です。
そのもと具体的なカテゴリーの売上高に目を向けると、衣料品は昨春、気温の影響で夏あたりまで振るいませんでしたが、8月に潮目が変わりました。以降、秋物、冬物の季節商品は順調でした。食品も同様に、第2四半期あたりまでは芳しくなかったものの、秋口から上向きはじめました。とくに名古屋市内の食品スーパー(SM)企業が苦戦するなか、当社はかなり善戦したと自負しています。
今期はまだ決算を出していませんが、通期では、不採算店を閉めているため減収の一方、営業利益は増益、既存店は前年並みで着地する見込みです。
──衣料品は昨年9月以降、住関連は同11月以降、既存店ベースで対前年実績をクリアし続けており、非常に好調です。どのような取り組みをしているのですか。
佐古 16年9月にユニー・ファミリーマートホールディングスが発足しましたが、それを前に同年8月から動きの悪い在庫の処分に着手しました。衣料品、住居関連商品について、それぞれ10~15%の削減です。また売れないと見た商品は、早いタイミングで値下げするなどの施策を続けた結果、徐々に売上が伸びました。前期の初春は、振るわなかったといいましたが、回復の予兆はありました。そこへ売れ筋商品を投入して売場の鮮度を上げる手法が功を奏したと分析しています。
──何かヒット商品に恵まれたというわけでもないのですね。
佐古 そうです。ただし社内で決めた「売り込み商品」を、全店で積極的に売る施策に、この4年来、取り組んでいます。衣料品で25%、住関15%、食品10%と、それぞれ「売り込み商品」の売上高構成比の目標を決め、販売するものです。当初、目標の半分も行かなかったのですが、売り方を工夫したことで現在はいずれも達成しています。在庫処分、さらに売り込みの施策で身につけた販売力が相まってうまく回り出したかたちです。
──さて19年2月期(今期)がスタートしていますが、どのような方針で事業を展開しますか。
佐古 現在、18年2月期を初年度とし4年間を期間とする中期経営計画に取り組んでいます。今期含め最初の2年間は「守り」に徹し、不採算店舗や事業の整理を進めていきます。来期後半の2年間は「攻め」に転じ、積極的に事業拡大を図ります。これまでの最高益は88年度の営業利益186億円ですが、21年2月期にはそれを超える200億円をめざします。達成するためにも、今期が重要な年度だと気を引き締めています。
先ほどの売り込み商品について言えば、衣住食でそれぞれ構成比を35%、20%、15%へ引き上げ、さらに販売力強化に努めます。一方で、“ 売らんかな”の精神が行き過ぎるとお客さまにとっては魅力のない売場になります。お客さまの買いたい商品を品揃えし、それを売り込んでいくということに力を注いでいきます。