中国PPI、2月は2年強ぶりの大幅上昇 CPIは低下幅縮小
[北京 10日 ロイター] – 中国国家統計局が発表した2月の生産者物価指数(PPI)は前年比1.7%上昇した。伸び率は1月の0.3%から加速したほか、市場予想の1.5%を上回り、2018年11月以来の大きさとなった。
輸出急増に沿う内容となり、中国経済の堅調な成長に対する期待が強まりそうだ。2月の輸出(ドル建て)は前年比154.9%だった。
PPIは前年との比較によるベース効果で押し上げられた面もある。中国では昨年2月、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、事実上のロックダウン(都市封鎖)措置が導入されていた。
消費者物価指数(CPI)は前年比0.2%低下し、1月(0.3%)から低下幅が縮小した。ロイターがまとめた市場予想は0.4%低下だった。
各国では、世界経済の過熱リスクを巡る懸念を背景にインフレ高進観測が高まり、金融市場に動揺をもたらしている。
中国は2021年の経済成長率目標を6%超と、市場予想より控えめな水準に設定したが、一部のエコノミストは実際の成長率が8%を超える可能性もあるとみている。
キャピタル・エコノミクスのシニア中国担当エコノミスト、ジュリアン・エバンスプリチャード氏はリサーチノートで「最近のCPIのマイナスが続くとは思わない。豚肉価格のベース効果のシフトで食品価格が少しずつ押し上げられるほか、労働市場のタイト化がコアインフレを押し上げ、石油価格の上昇でエネルギー価格が反発する」と指摘。
また「最近の当局者の発言がタカ派に傾いていることを考えると、中国人民銀行(中央銀行)は今年政策引き締めに動く」との見方を示した。
だが当局者は、海外で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、需要が抑制される中、外部環境は依然厳しいと警告している。
政府は先週、今年のCPI伸び率目標を約3%と比較的控えめに設定した。昨年のCPI上昇率は2.5%と目標の約3.5%を下回った。