“空間を売る”「無印良品 東京有明」の新たなサービスとは?
12月3日、住友不動産が開発した大型商業施設「有明ガーデン」(東京都江東区)のモール&スパ棟1~3階にオープンした「無印良品 東京有明」(以下、東京有明店)。関東圏内で最大の売場面積を誇る同店は、“空間を売る”をテーマに街全体を「自分の住まう空間」ととらえ、「暮らしのサポート」「家づくり」「街づくり」に関する新たな施策を展開している。本記事では、百貨店を超える“百八貨店”を標榜する東京有明店の新たなサービスについて解説する。
(東京有明店の食品売場についての記事はこちら)
街全体を“自分の住まう空間”ととらえる
「これからの小売を考えると、単品商売には限界があり、暮らし方や働き方などをより快適にするような空間商売をしていかなければならない――」。東京有明店オープン前のメディア向け内覧会で、同店の松橋衆店長はこのように語った。
無印良品は、これまで衣食住の基本となる商品を適正な価格で提供し、「感じ良いくらしと社会」の実現をめざしてきた。東京有明店ではさらにこの考えを発展させ、単に自分の家を快適にするだけでなく、街全体を「自分の住まう空間」ととらえ、家のインテリア相談からオフィス、コミュニティスペースの空間づくりのサポートまで幅広く対応する。心地よい住空間づくりに関する取り組みを強化し、地域住民の暮らしに長く役立つ存在をめざす考えだ。
収納相談や掃除サービスを展開
東京有明店では、「暮らしのサポート」「家づくり」」「街づくり」の3つのテーマを中心に、さまざまな新サービスを導入している。
「暮らしのサポート」では、日々の困りごとを相談できる「くらしのなんでも相談所」を2階に設置した。ここでは、1年間にわたるアンケートや座談会などで集めた店舗近隣の湾岸エリアに住む人々の悩みを解決するため、「お片付けサポート」というサービスを導入。無印良品のスタッフが実際に相談者の自宅に訪問し、暮らしに必要なものを整理して部屋の収納を改善するサービスだ。相談は来店でもオンラインでも対応可能となっている。
また、同サービスでは不用品の引き取りも行う。地域企業などと連携しながら譲り手を探したり、補修やアップサイクル後に再販したりするリユース活動につなげていく考えだ。そのほか、普段使わないものを1箱単位で預かるサービスや、専門資格を有するスタッフが掃除の手伝いやアドバイスを行うといったサービスも実施する。