米IBM、第3四半期は売上高が予想上回る クラウド事業好調で
[19日 ロイター] – 米IBMが19日発表した第3・四半期決算は、売上高が市場予想を上回った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で企業のデジタル化が加速し、クラウドコンピューティング事業の需要が高まったことが寄与した。
ただ、コロナ流行を背景とする世界景気回復を巡る不透明感を理由に、第4・四半期の業績見通しは示さなかった。これを受けて株価は時間外取引で3%下落した。
カバノー最高財務責任者(CFO)は「顧客の間でデジタル化の加速が引き続き見られており、レッドハット事業に反映されている」と述べた。ただ、新型コロナの流行で一部顧客の支出削減が続き、グローバル・ビジネス・サービス部門の売上高は5%減少したという。
「顧客の短期的な優先項目は引き続き経営の安定、柔軟性、キャッシュの確保などとなっている」とし、これが一部のプロジェクトの延期や購入の先送りにつながっていると述べた。
クラウド事業の売上高は19%増の60億ドルとなり、他の大半の事業の不調を補った。
同社は収益性の高いハイブリッド・クラウドや人工知能(AI)ソリューションなどクラウド事業に注力するため、データセンターの技術サポートなどのITインフラサービス事業を別会社として分離する分社化計画を今月上旬に発表している。
第3・四半期の全体の売上高は2.6%減の175億6000万ドルで、リフィニティブのIBESデータによるアナリストの予想(175億4000万ドル)をやや上回った。
為替変動や事業売却の影響を除いた売上高は3.1%減だった。
最大部門であるグロバル・テクノロジー・サービス部門の売上高は4%減の65億ドルとなった。
純利益は17億ドル(1株当たり1.89ドル)で、前年同期の16億7000万ドル(同1.87ドル)から増加した。
特別項目を除いた1株利益は2.58ドルで、アナリストの予想と一致した。