J.フロント、3―8月期は206億円の営業損失 下期は黒字化目標

ロイター
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東京・銀座のショッピング街を行き交う人々
J.フロント リテイリングが13日発表した2020年3月―8月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が163億円の赤字(前年同期は143億円の黒字)だった。同社の販売拠点がある東京・銀座のショッピング街には、なおコロナ禍の自粛ムードが漂っている。写真は5月26日撮影。(2020年 ロイター/Issei Kato )

[東京 13日 ロイター] – J.フロント リテイリングが13日発表した2020年3―8月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が163億円の赤字(前年同期は143億円の黒字)、営業損益は206億円の赤字(同251億円の黒字)だった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う第1・四半期の営業自粛が大きく響いた。売上収益は同34.7%減の1474億円となった。

オンライン会見した好本達也社長は上期決算を振り返り、「第1・四半期を中心に想定を超える極めて厳しい経営環境だった」と発言。第2・四半期に関しては、6月―7月に回復傾向が見られたものの、「8月は感染再拡大の様相を呈したこともあり、やや足踏み状態となった」と説明した。

下期については「事業利益、営業利益での着実な黒字化を図ることが最低限の目標」と強調し、「まずは早期に昨年度水準に復活するための強固な経営基盤の構築にまい進する」と語った。

好本社長はまた、コロナ感染拡大を契機に顧客の消費活動や消費に対する価値観が変化したと指摘。「中核事業の百貨店やパルコの大きな強みである店舗のプライムロケーションという付加価値が維持・向上できるか、懸念があるのも現実」とも述べた。

一方で、コロナ禍は「大胆な改革を推し進める絶好のチャンス」と考え、1)構造改革、2)デジタルトランスフォーメーション、3)パルコとのシナジー創出の本格化━━に重点を置き、スピードを上げて取り組んでいく意向を示した。

21年2月期連結業績予想については9月末に修正した業績予想から変更なく、純損益は186億円の赤字、営業損益は206億円の赤字を予想。売上収益は前期比29.8%減の3375億円を見込む。年間配当は1株当たり27円(前期は36円)を予定している。

リフィニティブがまとめたアナリスト4人による純損益の予想平均値は231億円の赤字となっている。

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