業績落ち込むファミリーマート 「ミニスーパーの代わり」めざす新たな商品政策とは?
既存店売上高が
大手3社で最も低下
コロナ禍で業績が振るわないコンビニエンスストア業界。近年、出店を強化してきた都市部立地の店舗が、リモートワークの普及で一気に売上減となっていることが主要因だ。
大手3社のなかでもとくに業績の落ち込みが大きいのがファミリーマート(東京都/澤田貴司社長)だ。2020年度上期(3~8月)の既存店売上高(対前年同期比)は「セブン-イレブン」が97%、「ローソン」が91.6%に対して、「ファミリーマート」は89.9%と最も低い。
そうしたなか巻き返しを図るべく、ファミリーマートが20年度下期の重点施策の1つとするのが、内食需要への対応だ。コンビニは近年、中食需要に対応する商品を強化してきたが、コロナ禍の外出自粛生活で内食需要が高まっていることから、需要奪取に動くという。
「ミニスーパーの代わり」をめざす
具体的には、18年2月期から販売する「お母さん食堂」シリーズの品揃えを強化する。
同シリーズは、「一番身近で美味しくて安心できる食堂」を掲げるファミリーマートのプライベートブランドだ。
これまでは、「赤色」のパッケージが特徴の「チルド・冷凍総菜」シリーズと、「金色」を基調とする高級感ある包装を採用した、素材・製法にこだわった上質商品シリーズ「お母さん食堂プレミアム」を展開してきた。
これに加えて6月頃からは、カット野菜や冷凍野菜といった素材のほか、豆腐や卵などの日配品を、「緑色」のパッケージを採用した「お母さん食堂」の食材シリーズとして販売している。これにより近所のコンビニでも内食需要に対応する商品が購入できることを広く認知してもらうねらいだ。
3シリーズでの展開になったことで、「お母さん食堂」のSKU数は全体で350以上に広がっている。商品・マーケティング本部生活デイリーグループマネジャーの鈴木孝広氏は「ミニスーパーの代わりに利用される店になれるような品揃えをめざす」と述べている。