リテールマーケティング本格台頭の予感
過日、「消臭力」や「ムシューダ」「クリアフォレスト」など抜きん出た開発力と商品力、おもしろコマーシャルでお馴染みのエステー(東京都)、鈴木貴子社長をインタビューした。
今年4月の消費税増税対策を尋ねたところ明快な答えが返ってきた。
「既存品のリニューアルは3月31日までに完了するとともに、新機軸の商品は4月1日以降に販売する」というものだ。
増税前後で価格の相対比較が可能な既存品はリニューアルを施したとしてもどうしても割高感が出てしまう。そこで、増税前に発売して、消費者の負の印象を少しでも緩和しようという試みだ。逆に、新機軸の商品は、先入観や相場感がないので、受け入れられやすいだろう、という読みである。
さすがは、マーケティングカンパニーである。
この話を小誌編集会議で披露すると、「ヨークベニマル(福島県/大高善興社長)も同じですよ」と部員から声が上がった。
子会社のライフフーズ(福島県/松崎久美社長)は、3月31日までに既存メニューをリニューアルするとともに、4月1日以降には新商品を続々と投入していくのだという。
「小売業にあるのはマーチャンダイジングという言葉だけでマーケティングは皆無だ」とある大手メーカーの社長は嘆いていたものだが、ヨークベニマルの動きを見ると隔世の感さえ感じる。
ライフフーズは、正確には、製造業・卸売業であるので、純粋に小売業としてくくることはできない。
けれども、小売業の製造小売(=SPA)化がどんどん進んで行く中で、小売業の新しいマーケティングが生まれるような気がする。
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