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コストダウンよりも「コストアップ」が儲かる、常識破りの在庫マネジメントとは

岸良 裕司(ゴールドラット・ジャパン CEO)
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コストカットのイメージ
あらゆる会社がコストダウンを行い、利益を上げる努力をしているが、思ったように利益が上がらないことはないだろうか。(i-stock/Jirsak)

コストダウンをすると儲かるのか?

  • コストがより安い海外でつくると安くなる
  • まとめて仕入れると安くなる
  • 工場の稼働率を上げるとコストが下がる

 「常識的」に信じられている上記の事項は本当だろうか?

 あらゆる会社がコストダウンを行い、利益を上げる努力をしている。だが、思ったように利益が上がらないことはないだろうか。それどころか、上記の3つのすべてを実践した結果として、経営危機に陥る会社も少なくないのが現実。

 あなたの会社がもし、上記の3つのうち1つでも「常識」として信じているならば、そう遠くない将来に経営危機に陥る可能性が高いといえるので注意が必要だ。

海外生産するとコストダウンになるのか?

 もし、あなたが、コストがより安い海外でつくると、「輸送費を含めても2割のコストダウンになる」という試算を示されたら、どうするだろうか?

 ここで、つい海外生産にすることを意思決定すると大きな「落とし穴」がある。

 その落とし穴とは、コストが下がるという試算は、「前と同じ量が売れる」という隠れた前提があること。たいていの場合、コスト試算は、同じ量の比較で計算するものだからだ。

 だが、現実は予想どおりにならないのが世の中の常である。ここで考えてほしい。以下の2つのうちどちらが起きる可能性が高いだろうか?

  • 予想どおりに、前と同じ量が売れる
  • 予想が外れて、前と同じ量は売れない

 連載第2回で触れたように「予想は当たらない」という科学的に立証された「カオス理論」(通称バタフライエフェクト)に基づく前提で考えると、現実の世界では、予想が外れて、過剰在庫または欠品を引き起こしてしまう可能性が高いといえるのではないだろうか。

 実際、

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