西武グループが仕掛けた「駅ナカ」コストコ好調の理由とは

2024/10/28 05:55
吉牟田祐司
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「コストコ」などの商品を最寄り駅のロッカーで受け取れる。西武鉄道(埼玉県/小川周一郎社長)が展開するスマートロッカーを活用したサービスが好調だ。西武ホールディングスによる実証実験を経て2024年4月に本格稼働し、利用登録者は2万人超え。今後どのような展開を見据えているのか。同社 沿線価値創造本部 事業運営部 ステーションリテール担当の丸山浩司氏に聞いた。

スマートロッカーで駅機能をリデザイン

西武鉄道ロッカー
西武線の駅以外では、東京ガーデンテラス紀尾井町、ダイヤゲート池袋でボピスタのサービスが利用可能

 西武新宿、池袋、高田馬場、田無、所沢、練馬、石神井公園など、西武線の駅では、ECで購入した商品を設置されたスマートロッカーで受け取れる。常温だけでなく冷蔵の商品にも対応しており、特に売上好調なのが会員制量販店コストコの商品だ。

  駅に設置されたロッカーを有効活用するこのサービスは「BOPISTA」(ボピスタ)。丸山氏によると、新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに考え出されたサービスだという。

 「新型コロナ禍で旅客・利用者数の減少に直面し、生活様式が変化する中、アフターコロナを見据えてビジネスモデルの変革に取り組み、駅機能のリデザインを目的に、このサービスが誕生した」

 「BOPISTA」とは「Buy Online Pick-up In Station」を意味する。ECで購入した商品を実店舗で受け取れる「BOPIS」(Buy Online Pick-up In Store)を進化させ、日常生活に身近な駅で、非対面で実現することを目指した。

  グループ持株会社の西武ホールディングス、カギの遠隔操作技術を持つスタートアップのSPACER(西武ホールディングスの連結子会社ブルーインキュベーションが出資)、西武鉄道沿線を中心にロッカーを運営するセントラルオペレーションの3社が協業し、2021年2月からの3年間で4回にわたる実証実験を重ね、西武鉄道が運営主体となって本格稼働した。

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