速報!セブン-イレブンの「SIPストア」ついに開業 写真で見る新コンセプト店の全貌とは
セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長)は2月29日、千葉県松戸市の「セブン‐イレブン松戸常盤平駅前店」(以下、常盤平駅前店)をリニューアル・増床するかたちで、新コンセプト店舗「SIPストア」の1号店をオープンする。セブン&アイグループの新たなシナジー創出を図るべく開発したというSIPストアの全貌を、27日に開かれたメディア向けのプレオープン取材会から、写真を中心に速報する。
約2000SKUをSIPストアの新規MDとして投入
SIPストア開発の端緒となったのが、2022年8月にセブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長)と、イトーヨーカ堂(東京都/ 山本哲也社長)が、両者のシナジー創出を図るべく立ち上げた「SEJ・IY・パートナーシップ(SIP)」という枠組みだ。
当初は商品・サービスの相互供給や、アプリを介した相互送客などをテーマに分科会を設置し各プロジェクトを推進していたが、23年春ごろにSIPストアの開発が決まり、1年弱の準備期間を経て開業にこぎつけた。
常盤平駅前店は新京成電鉄新京成線「常盤平」駅からすぐの場所にある。幅広い年齢層が住む住宅街という立地特性のほか、後述するプロセスセンター(PC)からのアクセスを含む物流面での条件に鑑み、既存の直営店を増床・改装するかたちでSIPストア1号店として開業した。
売場面積は約88坪で、セブン-イレブンの標準サイズと比較しておよそ1.8倍。取り扱い商品数は約5300SKUで、このうち約3300SKUはセブン-イレブンの既存店で販売している商品、残りの約2000SKUはSIPストアの開発に際して新たに投入した商品群となっている。
生鮮3品を拡充 精肉と鮮魚はPeace DeliのPCから供給
商品政策(MD)で特筆すべきはやはり、前述した約2000SKUの新規商品群だろう。そのほとんどはイトーヨーカ堂で扱っている生鮮食品(青果、精肉、鮮魚)や日配、冷凍食品、加工食品が占める。
つまり食品売場に関して言えば、SIPストアのMDはセブン-イレブンのMDにイトーヨーカ堂の食品MDを一部付加したものとなっている。
実際に売場を見ていくと、店舗中央部で生鮮と日配が一体化したゾーンが展開されており、既存のセブン-イレブンの店舗とは一線を画した光景が広がる。
生鮮のうち精肉と鮮魚については、イトーヨーカ堂傘下の食品製造・加工企業であるPeace Deli(東京都/和瀬田純子社長)が千葉県流山市に有するPC「流山キッチン」から供給を受ける。精肉は牛・豚・鶏それぞれでスライスや挽き肉、味付け肉など売れ筋を中心に展開。鮮魚は定番の魚種に絞り込んで切り身や干物、刺身は盛り合わせも提供する。
精肉、鮮魚ともに大容量パックは展開せず、使い切りを想定した量目で販売する。また、価格についてはグラム売りではなく商品ごとに固定価格を設定。たとえば「国産若鶏手羽元」は4個入りで200円(以下税別:取材日時点)、「国産豚ロースとんかつ用」は1枚入りで300円などとなっている。Peace Deliの担当者によれば、「グラム単価でみればイトーヨーカ堂の店頭価格とそれほど遜色はないアイテムが多い」という。
青果はゴンドラエンド(常温)に根菜や葉物類、冷蔵ゴンドラに果物類、カット野菜・フルーツなどを展開。ドレッシングやトッピング用のゆで卵などの関連販売も行っている。