日銀総裁、賃金・物価好循環へ「正念場」=2%物価実現で政策変更も
日銀の植田和男総裁は25日、大阪市で講演し、「企業の賃金・価格設定行動の一部に(引き上げ方向への)変化は見られ始めたが、不確実性は極めて大きい」と述べた。その上で「賃金と物価の好循環が実現するか正念場を迎えている」と強調した。
植田総裁は講演後の記者会見で、2%の物価目標の実現について「まだ距離がある」と説明。ただ、「持続的な達成が見通せたら金融政策を変更する可能性が出てくる。非常に大変な仕事になると思うので適切に対応する」と語った。
また、植田総裁は4月の就任からまもなく半年が経過することに関し「着任した時と比べると物価情勢は少し上振れしている」と言及。「物価の一段の上振れのリスクがあるので7月には政策修正した。適切な対応だった」と指摘した。
最近の円安を巡っては「為替相場の動きがわれわれの経済・物価見通しにどのように影響を及ぼすのかという点は常に注意して見ていく」との見方を示した。