日販改善のローソン 原材料の調達国を分散化するねらいと成果とは

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
Pocket

コンビニ復活 メインイメージ

ローソン(東京都/竹増貞信社長)は「ローソングループ大変革実行委員会」のもと、「日販改善」をめざす4つのプロジェクトを実行するとともに、原価高騰を低減するための施策も着実に推進。結果、2023年2月期の既存店売上高は計画を超える伸び率で伸長し、総粗利益率も改善した。24年2月期は地域別ニーズと二極化への対応に注力する。

4つのプロジェクトで全店日販を1.9%押し上げ

 ローソンの23年3月期の既存店売上高は対前期比3.6%増で、前期(同1.1%増)を上回る伸長率で増加した。その内訳は客数が同0.9%増、客単価が同2.7%増でともに伸長している。総粗利益率も31.0%と前期から0.3ポイント上昇した。全店平均日販は52万2000円で、同2万4000円増えた。

 業績回復を牽引したのは20年9月に始動した「ローソングループ大変革実行委員会」による各種施策だ。「日販改善」をめざした取り組みの一方、中長期的な成長を目標とするプロジェクトを同時並行で推進し、新たな需要開拓と市場深耕を図った。

 このうち日販改善をめざして実施した4つのプロジェクトでは、全店日販を1.9%押し上げる効果が出ている。

 具体的には、「①店舗理想形追求」プロジェクトでは、新しい生活様式への対応を目的に店舗改装を実施した。冷凍食品の平台やリーチインケース、カウンターフードのセルフサービス方式什器などを導入し、利便性の高い品揃えと従業員にとって働きやすい環境を提供する店づくりを実践。累計改装店数は7290店舗(23年2月末)まで増えた。

セルフサービス方式什器
「店舗理想形追求」プロジェクトでは、冷凍食品の平台やケース、カウンターフードのセルフサービス方式什器などを導入。利便性の高い品揃えと働きやすい環境を提供する店づくりを実践している

 「②商品刷新」プロジェクトでは、より日常の食卓ニーズに即した品揃えとするべく、日配品と冷凍食品を拡充。その結果、売上高で冷凍食品が同10%増、日配が同5%と伸びた。

 「③厨房」プロジェクトでは、外食を控える風潮のなか、店内調理のできたて商品を提供する「まちかど厨房」を積極的に導入し、コロナ禍でのテイクアウト需要に応えた。累計導入店は9191店舗(同832店増)まで広がっている。

店内調理風景
店内調理のできたて商品を提供する「まちかど厨房」は、累計導入店が9191店舗(同2985店増)まで広がっている

 同カテゴリーの売上高は、

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態