売場の“ロピア化”が止まらない?! 「スーパーバリュー杉並高井戸店」の売場を徹底解説

矢野清嗣
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スーパーバリュー(埼玉県/岸本圭司社長)は2023年4月、東京都杉並区の「スーパーバリュー杉並高井戸店」(以下、高井戸店)をリニューアルオープンした。22年にロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)を中核とするOICグループ(神奈川県/髙木勇輔代表 ※23年5月1日付で、ロピア・ホールディングスはOICグループに商号変更)傘下に入った同社。22年末にリニューアルした「スーパーバリュー越谷店」(埼玉県越谷市)では、売場が“ロピア化”していたことで注目を集めた。高井戸店は改装でどのような売場に生まれ変わったのか。現地に足を運んだ

スーパーバリュー杉並高井戸店の外観

調査期間:5月3、6、14日 ※本文中の価格はすべて本体価格

シンプルで洗練された売場!?

 スーパーバリューが23年4月に改装オープンした高井戸店は、京王線「上北沢」駅から歩いて約14分の場所にある。所在地は東京都の杉並区と世田谷区の境で、周辺は住宅街が広がる。都内でも屈指のソフィスティケート(都会的で洗練された)された住宅街であり、スーパーバリュー、実質的に親会社であるロピアとしても初めて経験する立地であったことと思われる。平日の店舗駐車場に停めてあるクルマを見てみると、9割が「世田谷」「杉並」ナンバーで、足元商圏からのお客が大半であるようだ。

 店舗は2階建てで1階がホームセンター、2階が食品売場となっている。筆者の歩測では、食品売場の売場面積は約400坪。ロピアの標準店と比べるとやや小ぶりな店舗だ。

スーパーバリュー杉並高井戸店の売場レイアウト

 22年末に改装オープンしたスーパーバリュー越谷店では、ロピアのオリジナル商品や売場演出を導入するなど、売場の“ロピア化”が見られたスーパーバリュー。ロピアは量感と質感を両立させた売場づくりを特徴としているが、この高井戸店は量感よりも質感を重視した売場となっており、「売れる商品」と「売りたい商品」を巧妙に組み合わせた、独自のスタイルであるようだ。

 木目調の床、自然光を多く取り入れた店内照明、シンプルな売場配置と、地域特性を勘案してか、装飾もロピアの既存店と比べると控えめで都会的な“大人のスーパー”の様相だ。商品構成では、生鮮食品は売れ筋中心に品揃えを絞り、「紅茶」「たれ」「スパイス」「ふりかけ」「醤油」「グミ」「菓子大袋」など加工食品・菓子ではこだわり商品を差し込んだ独自のスタイルで、スーパーバリューのオリジナルブランド「SVセレクト」の扱いもある。

青果が主役!? 生鮮・日配重視の商品構成

売場スペース構成比は、生鮮が44%、日配が20%で、両部門合計で66%を占める。生鮮・日配主体の構成で、ほかの食品スーパーとは明確に構成が異なることがわかるだろう。

スーパーバリュー杉並高井戸店の売場スペース構成比

主要部門の売場を見ていこう。1階から階段を上がった先にある青果売場は、主通路両サイドに冷蔵ケース36尺に、横幅18尺の平台5台を配置し標準的な食品スーパーのスタイルで、面積は50坪(歩測)。売場前面では日替わりで商品を変えていて、調査日は、「青肉メロン」(699円)、「生しいたけ100g」(99円)などを販売していた。レジ側から見て左側壁面ではバナナを先頭に、レタス(1玉99円)、ブロッコリー(1房159円)、「もやし200g」(39円)などにつなげている。

売場配置はオーソドックスで、売れ筋の価格訴求も徹底されており、イチゴなどはバンドル販売で安さをアピールしていた。ほかの店にはない安さであり、青果が売場の主役となっていることは間違いない。

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