嫌なものこそ直視する
雑誌の編集長というと、一見、雑誌づくりだけに専念していればいいお気楽な商売を想像されるかもしれないが、私のような仕事でも、業績や数字は常について回る。
発行部数、販売収入、広告収入、製造コスト、売上総利益、営業利益…。
実際に、毎月1回、会社から配布されるデータを睨みながら、一喜一憂しているのだから、多くの企業の中間管理職の方たちとまったく変わりはない。
良い数字が出てくれば、もちろん気分は良い。
悪い数字が出ればまったく逆だ。その場で破り捨てたくもなるものだ。
本心を言うなら、嫌なものは、見たくない。目をそらし、無視したくなる。
ただ、私は、悪い数字が出た時こそ、じっくり中身を凝視するようにしている。
悪い数字を正視していると、万事がうまく回っているときには、分からなかったことがたくさん書いてあるものだ。
嫌なものから逃げ出すことなく、直視して、打ち手を施し、数字を変えることは管理職の重要な仕事のひとつだと考えている。
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