トップのポジションは、勝手に転がり込んではこない
菅直人首相と小沢一郎前民主党幹事長の一騎打ちによる様相を示してきた民主党代表選――。9月14日には、その結果が判明する。
民主党を見ていて感じるのは、リーダーシップを持ちたいと考える人材の少なさだ。
1998年に結党された民主党の代表は、12年間で8代5人。具体的には、菅直人さん、鳩山由紀夫さん、岡田克也さん、前原誠司さん、小沢一郎さんの5人で、うち、菅さんが3回、鳩山さんが2回、代表の座に就いてきた。この間に代表選に立候補したのはわずか9人。つまり、レギュラーメンバーの中での交代が繰り返されているのである。
民主党は国会議員数414人(衆議院308人、参議院106人)の大所帯。にもかかわらず、今回の代表選の立候補者も2人というのは、さみしい限りだ。
前回の代表選も、立候補者は、菅さんと樽床伸二さんの2人のみである。
一方、自由民主党の歴史を振り返ると、過去の総裁経験者は、“蟷螂の斧”のような総裁選に出馬し、ぼろ負けして辛酸をなめながら、ようやく自分の思いを成し遂げている政治家が多い。
あれほどの人気を誇った小泉純一郎元首相にしても、党内ではまったく人気がなく、泡沫候補として3回出馬。しかし、その強い思いがいつしか大きな山を動かし、内閣総理大臣在任1980日という歴代3位の長期政権を維持した。
“マンガ宰相”としてお馴染みの麻生太郎元首相も3度目の正直で、ついに総裁の座を射止めた。
トップのポジションは、勝手に転がり込んではこないものだ。
そのことからも、2強に楯突くような第3の候補者の有無が民主党の将来を示唆している気がする。
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