ファーストリテイリング2010年8月期決算実況中継(2) お客様は全世界の60億人

2010/10/11 06:23
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 (昨日の続きです)

 

 次にGOVリテイリング(東京都/中島修一社長)が展開する「ジーユー」事業について話したい。

 ようやく本格的ブレークスルーの兆しが見え始めた。低価格衣料で新しい業態を確立したと考えている。2010年8月期は大幅な増収増益で店舗数も115に拡大した。また10月22日に大阪心斎橋に旗艦店を開業する予定だ。売場面積は約500坪でジーユーとしては最大規模だ。さらに2013年8月期の目標は、売上高500億円、店舗数200を目指している。

 

 さて、グローバルブランド事業については、「セオリー」「コントワー・デ・コトニエ」のブランド体制を確立したい。「セオリー」はニューヨーク、「コントワー・デ・コトニエ」はパリが主体のブランドである。そこで「セオリー」のヨーロッパへの拡大と中国での本格展開。「コントワー・デ・コトニエ」の米国出店と日本・韓国への拡大によって相乗効果を図っていきたい。

 

 「キャビン」事業は残念ながら、ブランドとしては閉じた。しかし人材は豊富なのでグループ企業に活用していきたい。PLST(プラステ)事業や「コントワー・デ・コトニエ」の日本事業、ユニクロで店舗、人材を配転して活用する。

 

 さらに、靴事業については、靴専門店の店名を「キャンディッシュ(CANDISH)」に統一した。今後、キャンディッシュ90店舗とユニクロ大型店(現在93店舗)およびオンラインストアで「キャンディッシュ」「ユニクロシューズ」の2つのブランドで靴を販売していく。ファーストリテイリングでは09年9月から「ユニクロシューズ」ブランドでユニクロ店舗において靴の販売を開始。今年に入ってからは子会社GOVリテイリングが展開していた靴事業を切り離し、ユニクロに継承させた。今後は、ユニクロの衣料と同様、品質と低価格を兼ね備えた商品を投入していく。

 

 そしてファーストリテイリングの事業展開についてだが、グループ間の相乗効果と各エリアに根付いた事業展開をしていきたい。

 「FR USA」、「FR FRANCE」というその地域の事業体の主体となる持ち株会社を設立して地域に根付いた事業にしていきたい。「ユニクロ」「セオリー」「コントワー・デ・コトニエ」をグローバルな格好で販売促進する。

 

 もうひとつ。「なぜ、英語公用語化なのか?」と良く聞かれるので、説明しておきたい。

 我々は現在、日本の1億2000万人を対象としたビジネスから世界の60億人を対象としたビジネスへと事業転換している最中である。

 グローバル展開をしていくことを考えたならば、公用語は必然的に日本語にはならない。

 たぶん、2014年から海外のビジネスの規模が日本のビジネスの規模を超えてくると予想されている。そうなると日本人ではない経営者や社員が日本人の数を超えていくだろう。そのためにビジネス上は世界の共通語的な英語を全社で勉強していきたいと考えている。

 

 我々の最終的な目標は、「日本発のグローバル企業になる」こと。ぜひ、これを実現したい。

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