中国PPI、8月は前年比-0.8% 3年ぶりの大幅マイナス
[北京 10日 ロイター] – 中国国家統計局が発表した8月の生産者物価指数(PPI)は前年比0.8%低下で、2016年8月以来の大幅なマイナスだった。7月は0.3%低下だった。
政府による早急な景気刺激策の必要性が浮き彫りとなった。
低下の主因は原材料価格の下落。ロイターがまとめたアナリスト予想は0.9%低下だった。
キャピタル・エコノミクスのリサーチノートは「需要サイドの価格圧力はますます後退しており、追加の金融緩和が予想される」と指摘。生産者物価のデフレは今後数カ月に悪化するとの見方を示した。
中国人民銀行(中央銀行)は6日、18年初め以来7回目となる預金準備率の引き下げを発表。アナリストの間では、企業の借り入れコスト削減のため来週一部の主要貸出金利が引き下げられるとの見方が広がっている。
8月の食品価格は前年比10%上昇。7月の9.1%から伸びが加速し、12年1月以来の高水準だった。豚コレラの影響で豚肉価格は46.7%の急騰で、上昇率が7月の27%からさらに加速した。
消費者物価指数(CPI)は前年比2.8%上昇。上昇率は7月から横ばいで、アナリスト予想(2.6%)を上回った。前月比では0.7%上昇。
食品や燃料を除くコアCPIは前年比1.5%上昇。7月は1.3%上昇だった。
アナリストは食品価格の高騰が緩和政策の障害になるとはみていない。
オーストラリア・アンド・ニュージーランド(ANZ)銀行は「CPIは上昇しているが、人民銀は今年第4・四半期に金利を引き下げるだろう」と予想し、「中国の金融政策決定においてはPPIの低下のほうが重みを持つだろう」との見方を示した。
ゴールドマン・サックスはCPIが高水準にあることについて、「コアインフレは依然として緩やかなため、人民銀の金利引き上げにはつながらない」とした上で、大幅な金利引き下げをある程度抑制する可能性があるとの見方を示した。