生鮮強化とPC活用 井上壮一新社長の元で改革進むハートフレンド「フレスコ」の戦略
小型店を主力に事業展開するハートフレンド(京都府/井上壮一社長)。とくに本拠の京都では強固なドミナントエリアを構築しており、圧倒的な支持を得る。ただ近年、商勢圏においては競争が激化。その中、生鮮食品を拡充、同時にプロセスセンター(PC)を活用した店舗の効率運営により集客力、競争力の向上を進めている。
二極化が進む京都の食品市場
ハートフレンドが事業展開するのは、本部を構える京都府のほか滋賀県、大阪府、兵庫県の関西エリアである。
同社の設立は1987年。前身は京都市山科区の勧修公設小売市場で、セルフサービスを取り入れた店づくりを模索し始めたのが起こりだ。その成果として92年に生鮮強化型食品スーパー「フレスコ」をオープン、以降の多店舗化の起点となった。
これら同社の基盤を固めた一連の動きを、経営トップとして率いたのが創業者の井上弘治氏。現社長の井上壮一氏はその子息にあたり、先代の片岡孝一氏から21年6月に経営のバトンを受け取り、現在、次代を視野に日々、経営の采配を振る。
あらためて同社ビジネスの概要を紹介すると、店舗数は23年2月中旬現在119店に上る。小型店を主力としており、とくに地元の京都では徹底したドミナント出店によって強固な店舗網を構築している。
さらに24時間営業を行っているのが43店舗と、全体の約3分の1を占めているのも特徴だ。これらにより、お客からは身近で利便性の高いSMチェーンとして認知されており、各地で強い支持を獲得する。
コロナ禍では、他のSM企業と同様、利用者の増加に伴って業績が拡大。ただ大きく伸長した前年実績を受け、23年2月期の売上高は約540億円(対前期比1.5%減)での着地を見込む。
同社を取り巻く経営環境に目を向けると、近年、競争が激化しているのが現状だ。中でも多くの店舗がある京都市では有力店が増加している。
21年9月、京都市中心部にあるビジネス街の烏丸エリアに「ライフ四条烏丸店」がオープンしたほか、同年11月にはJR京都駅前に「ロピア京都ヨドバシ店」、さらに22年9月には「ライフ四条大宮店」が開業。いずれも近くに複数のフレスコがある。進出を受けて既存の競合店も改装するなど、ここ数年で京都の食品市場は一気に緊張感が高まっている。
「京都のお客さまは、
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