ウォルマート、英子会社アズダの株式上場を検討、社内会議で明らかに
米ウォルマートが、英子会社アズダの株式上場を検討している。5月14日、アズダの幹部約1200人を集めた会議で、ウォルマート国際部門CEO(最高経営責任者)のジュディス・マッケンナ氏がアズダの上場を検討していることを明らかにした。マッケンナ氏は、上場準備には数年かかるだろうとの見通しを述べた。
ウォルマートは英スーパー3位のアズダを同2位のJセインズベリーと合併させ、テスコに並ぶ英国最大規模の小売業を誕生させる計画だったが、日本の公正取引委員会に当たる英競争・市場庁が4月25日、この合併を認めないと正式発表したため、計画を断念していた。
ウォルマートは1999年に67億ポンド(当時の為替レートで約5700億円)でアズダを子会社化したが、メキシコや中国、インドなど新興国へ投資を集中するために、アズダを切り離す方針に転換した。セインズベリーとの合併を当局に阻止されたことで、選択肢は投資ファンドなどへの売却か株式上場に限られていた。
アズダは英国で現在、約600店舗を展開。7四半期連続で増益となるなど、足元の業績は堅調だが、ドイツ系食品ディスカウントストアのアルディやリドルなどが市場シェアを伸ばしており、セインズベリーと同様に長期的な成長は厳しいとの見方がある。