12月の米物価、5.0%上昇=1年3カ月ぶり低水準
【ワシントン時事】米商務省が27日発表した2022年12月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比5.0%上昇した。伸び率は3カ月連続で鈍化し、21年9月以来1年3カ月ぶりの低水準となった。
伸び率は連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%を引き続き大幅に上回る一方、インフレの低下基調も示された。FRBは1月31日~2月1日の金融政策会合で利上げ幅を前回の0.5%から0.25%へ縮小する方針だが、その流れを後押しする内容になった。
物価指数を項目別に見ると、モノの上昇率は4.6%と、昨年6月をピークに鈍化傾向が続いていることが確認された。一方、賃金上昇の影響を受けやすいサービス分野は前月から横ばいの5.2%と、インフレの根強さをうかがわせた。また、食品は11.2%と、2桁の伸びを維持した。
価格の変動が激しいエネルギー・食品を除いたコア指数は4.4%と、伸び率は3カ月連続で縮小した。
FRBは昨年、約40年ぶりとなった高インフレを封じ込めるため、急ピッチの利上げを進めた。大幅な金融引き締めの影響が今後、実体経済へ本格的に表れると見込まれることから、利上げペースを緩め、インフレの推移を見極める構えだ。
12月の個人消費支出は前月比0.2%減と、2カ月連続で減少した。