長引くコロナ禍で男性向け高級シャンプーが売れる理由

坂口 孝則(未来調達研究所)
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セルフカラーリング材の売場
コロナ禍を経て“じぶん”への興味・関心が高まった結果、新たな需要が多く生まれている(写真は本文とは関係ありません)

じぶん”への関心が生み出した新たな需要

 「男性ってパンツを買わないよね」。ある女性と話しているときにこんな卓たっ見けんを聞いた。彼女曰く、学生時代は母親が買ってくれ、結婚すれば妻が買ってきてくれる。「そもそもどんなパンツをはこうか興味がないんだもん」だそうだ。パンツだけではなく、男性によっては靴下も同じようなものかもしれない。結局のところ、興味のない対象に消費欲が向かうことはないのである。

 ところで、コロナ禍は一段落しつつあるとはいえ、在宅勤務を続けるビジネスパーソンは多い。テレビ会議も一時期に比べれば減ったが、「Teams」や「Zoom」は必須アプリであり続けている。テレビ会議が増えるなかで、自分自身の容姿や映り具合を見つめる機会が増えた、という人は少なくないだろう。

 とくに男性にとっては、毎日のように一定時間、自分を画面越しに見る経験など、初めてに近いことかもしれない。かくいう私もそうだ。肌の荒れや髪型、そしておじぎをした際に後頭部の薄さに気づく……。これまで大きな関心事でなかった“じぶん”が突如として気になる存在になった。

 雑居ビルの2階以上にあった居酒屋がコロナ禍で集客できずに閉店し、その跡地に

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